
高出力・高密度化が進む電子機器では、熱界面材料(TIM)の長期安定性が製品信頼性を左右します。 従来の導熱グリースは熱サイクルの繰り返しによりポンプアウトが発生しやすく、界面熱抵抗の増加や 放熱性能の低下につながります。GOOD GI の PCM は、長期運用における熱インターフェースの安定化を目的に設計されています。
ポンプアウトが発生する要因
ポンプアウトとは、熱膨張・収縮の繰り返しや材料の流動、機械的応力により、導熱グリースが界面から押し出される現象です。
- 熱膨張・収縮の繰り返し
- 材料の流動(粘弾性挙動)と応力
- 長期の熱サイクル(thermal cycling)
結果として、界面熱抵抗の増加、接触ムラ、局所的なホットスポット、部品の劣化促進が起こり得ます。
導熱グリースではなく PCM を採用する理由
PCM は常温では固体で、所定の相変化温度域で軟化します。動作時に微細な凹凸を充填し、冷却後に再固化することで、 界面を安定化しポンプアウト抑制に有効です。
- ポンプアウト抑制
- 界面厚みの安定化
- 長期での熱抵抗変動を低減
- グリースレスで作業性が良い
熱界面材料の特性比較表
| 比較項目 | 導熱グリース | 導熱パッド | PCM(相変化材料) |
|---|---|---|---|
| 施工方法 | ディスペンスまたはスクリーン塗布が必要 | カットして貼り付け | 常温で固体のシート材、直接実装 |
| 量産ライン適性 | ❌ はみ出しやすく、版清掃が必要 | ✅ クリーンで簡単 | ✅ パッド同様にクリーンで施工性良好 |
| ギャップ充填性能 | ✅ 流動性が高い | ⚠️ 材料の柔軟性に依存 | ✅ 昇温時に軟化し微細隙間を充填 |
| 代表的な熱抵抗 | ⭐ 低い(約 0.03~0.10 ℃·cm²/W) | ⚠️ 中~高(厚みに依存) | ⭐ 低い(最小 0.05 ℃·cm²/W) |
| 熱伝導率 | 3~12 W/m·K(高性能タイプ) | 1~8 W/m·K | 2~8.5 W/m·K |
| 長期信頼性 | ⚠️ ポンプアウトが発生しやすい | ✅ 安定 | ✅ 相変化後に再固化し、位置ズレが起きにくい |
| 絶縁性能 | 配合に依存 | 一般的に良好 | 高絶縁設計が可能(≥8 kV) |
| クランプ圧の必要性 | 推奨 | 推奨 | 必須(5~20 psi) |
| 適用可能な熱流束 | 高 | 低~中 | 中~超高 |
GOOD GI PCM の技術特長
GOOD GI PCM シリーズは、高信頼性用途向けに熱性能と電気安全性の両立を狙って開発されています。
- 熱伝導率:最大 8.5 W/m·K
- 絶縁性能:最大 8 kV
- 優れた熱サイクル耐久性
- 高 power density 設計での長期信頼性向上
主な用途
- AI サーバー/HPC
- パワーモジュール/産業機器
- 車載電子機器/ADAS
- ディスプレイ/民生機器
技術資料、サンプル評価、またはエンジニアリングのご相談をご希望の方は、 お問い合わせフォームまたはメールより GOOD GI までご連絡ください。